あさあめの凡々日記

アニメ・漫画・ゲームなどの感想メインの日記

【感想】ミスミソウ 完全版 上下

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少しだけ軽い気持ちでこちらの作品を読んでみてしまいました。

何もかもが衝撃的だった、軽い気持ちでは見ることのできない内容。

ミスミソウ完全版です。

 

上の帯では、

「私は家族を焼き殺された。」

下の帯では、

「おじいちゃん、私ね…人を殺したの---」

 

誰が異常で、誰が正常なのか?

最後まで、何を求めて読むのかが難しい。

聲の形とは対極に位置するような作品だと思いました。

 

読み終わった時の率直な感想は、

 

重くて、辛い、そして救われない

 

でした。

かなり古い作品となりますが、読んでない方は一度読んでみてください。

描写の美しさ人間の異常さが同時に体験できる作品です。

それでは、感想をどうぞ!

※以下、ネタバレ注意

転校したその日から何もかもが元に戻れない

 主人公・春花が引っ越してきた瞬間から、運命はもう決まっていたのかな、と。

ただ、運命というには全てが悲しすぎる結末でした。

 

最初はいじめられっこや春花が異常者となってしまい、相場だけが普通の少年なのかと思っていました。

ただ、その勘違いのせいで後半は更に引き込まれるとともに、

もう、ハッピーエンドなんてないんだな

とも思いました。

 

最後になって、正常者はこの地域に住んでいない春花だけだったのだ、と。

小黒の評価は難しいですけど、登場人物の中では2番目にまともだと思います。

最後の最後で評価が上がりましたから。

 

結局、最後には誰も残りませんでした。

春花が戻れない道に染まっていくのを見るしょーちゃんが悲しかった。

どうすれば、良かったんでしょうかね?

 

それとも、「いじめ」が起こる時点でもう戻れる道はないのかもしれません。

これが本当であり、真実であり、聲の形が幻想なのかも…。

以下は想いを綴りたいキャラクターに焦点を当てます。

 

野咲春花

彼女を表すのは「悲劇の復讐者

彼女に悪いことというのは何もありませんでした。

 

ただ、相場に気に入られたから。

ただ、小黒に気に入られたから。

それだけで、家族を失ってしまった。

 

一番大切だったものが無くなってしまい、彼女には何もなくなってしまいました。

しょーちゃんだけは生きていたからこそ、危険因子を排除するために復讐者となってしまったのか。

それとも、怒りの矛先が復讐というだけだったのか…。

 

どちらにしろ、春花には生き残って欲しかったな、と。

あまりにも悲しすぎて、切なすぎて、本当に辛かった。

悪くないからこそ、幸せになって欲しいなという気持ちが強かったです。

相場晄

彼を表すのは「偽りの優しさ

なんだかんだで、一番ひどいキャラクターな気がします。

自分が納得のできないことは、力でねじ伏せる。

 

それでうまくいくことを知ってしまったから、繰り返す。

親の環境のせいっていうのがかなりあるでしょうね。

それにしても、ひねくれ過ぎている。

 

良くない考えですが、彼がいなければ全てが上手くいっていた気がする。

春花と小黒も仲良くなり、いじめも起きず…。

まあ、それこそあり得ない未来ですが。

 

好きな人がいるなら、その人の幸せを一番に考える。

自分の思い通りにならないからといって、暴力で訴えるのはいけない。

それを相場には知っておいて欲しかったな。

小黒妙子

彼女を表すのは「恋と夢

夢は東京で美容師。

恋する相手は同姓の春花。

 

それが彼女を歪めてしまった。

いじめといういけない道に染めてしまった。

 

東京から来た春花を慕う一方で、独占したいという気持ちが強くなってしまった。

だからこそ、いじめの首謀者となり、周りを変えてしまった。

元凶…になるんでしょうね、いじめの。

 

ただ、最後に改心したからこそ、生きてては欲しかった。

今までの報いといえばそれまでですが、彼女は放火には乗り気じゃありませんでした。

それでも止めなかったというのが、彼女の過ち。

 

美容師になりたいという夢があるのに、

それをいじめとして佐山にやってしまったのは良くない。

本当に夢ならば、その手はいじめに使っちゃいけないと思います。

佐山流美

彼女を表すのは「歪んだ精神

一番狂っていて、救いようがないキャラでした。

 

期待に答えるためだから、という理由で放火はありえない。

結局は自分の欲を満たしたいだけでした。

それが最後まで続いていく…。

 

ただ、いじめられることがなかったら、彼女もまた変わった人生を送れたのかもしれません。

いじめが全てを変えてしまう、ということですね。

その結果が殺人者…。

 

放火で人を殺せばもう殺人者です。

言い訳なんてできません。

欲を人で満たすことは、いけません。

あとがき

押切蓮介さんの作品はハイスコアガールしか読んだことがなかったので、それも含めて衝撃的でした。

ただ、完全版の表紙のイラストといい、絵が素晴らしい。

だからこそ、残酷なシーンも迫力があった。

 

この人が原作の「焔の眼」という作品も読んでみたくなりましたね。

ミスミソウにテイストが似てるみたいなので。

それでは、焔の眼の感想でお会いしましょう!!