あさあめの凡々日記

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【ニセコイSS】春ちゃんIFルート(中編)

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(前編)→こちら

 

気づいたら1ヶ月半とか過ぎてました、すみません。

春ちゃんIFルート(中編)です。

つまり、後編があるということです、なるべく早くにアップしますorz。

 

今回は完全にオリジナルの部分となっているので、前回よりもキャラが変だったりするかもしれません。

春ちゃんはともかく、小咲のキャラが何故か書きづらかった……。

あと、前回よりもけっこう短いです。

 

前回同様、拙い文章となりますが、よかったら見ていってください。

春ちゃんIFルート(中編)

文化祭から数日が過ぎた。
別段変わったこともなく、日常が過ぎていく。
私も、今まで通りの学生生活を送れているはずだ。

 

そういえば昨日、お姉ちゃんから和菓子フェスタに誘われたっけな。
なんでも、前にお姉ちゃんの誕生日プレゼントを買いに行ったデパートでまた行われるらしい。
お姉ちゃん以外にも、桐崎先輩や一条先輩も一緒に行くそうだ。
当然、私は断った。
もう会わないと決めたんだ。
会ってしまったら、また楽しい毎日が始まって、同じことの繰り返し……。

 

「……まだ、吹っ切れてないのかな」

 

自分の部屋で寝そべりながら、呟いてしまう。
全く、難儀な恋をしてしまったものだ。
いつかはきっと、時間がこの恋を忘れさせてくれるだろう。
それまで先輩と会わなければいいんだ。
恋を忘れるって、どんな感じなんだろうな……。
そんな自分の世界に浸っていると、ふいに部屋の扉をノックする音が聞こえてくる。

 

「春、一緒にお風呂入らない?」

 

お姉ちゃんの声だ。
一人でいるとあれこれと考えてしまうし、お風呂にでも入ってさっぱりすることにしよう。

 

「うん、すぐ準備するね」

 

これで今日はお風呂で身体を休めて、後は寝るだけ……と思っていたんだけど。
お風呂に浸かってゆっくりしていると、突然お姉ちゃんが聞いてきた。

 

「ねえ春、一条君と何かあった?」
「え?」

 

突然のことで、頭が真っ白になって、いつものように言い返すこともできなくて。
返答に詰まってしまった。
それはもう、何かあったことを教えているようなもので……。

 

「よかったら教えてくれない?」

 

お姉ちゃんは優しく私に問いかけてくる。
どうして、お姉ちゃんはそんな風に思ったのだろう。
私なりにはいつも通りを振る舞えてたはずなのに。
と、自問自答してもしょうがないかな。
直接お姉ちゃんに聞くしかないよね。

 

「どうしてお姉ちゃんはそう思ったの? その、一条先輩と私に何かあるって」
「うん、前に春を和菓子フェスタに誘ったでしょ? で、春が行かないってことを一条君に伝えたら、やっぱり…… みたいな反応をしてたんだよね。それに一条君、文化祭から元気がないから」

 

原因はどうやら私じゃなく、一条先輩にあったようだ。
全く、私に告白された具合で動揺してたら、お姉ちゃんの時には心臓が飛び出ちゃうだろうな。
それとも、ちょっとだけ迷ってたり……するわけないか。
一条先輩もはっきりと言ってたことだしね、好きな人はお姉ちゃんなんだって。

 

「……そっか、そうだね、お姉ちゃんには伝えとかないと心配させちゃうよね」

 

私は覚悟を決めた。
あの日、文化祭であったことをお姉ちゃんに伝える。

 

「私、一条先輩に告白して、二度と会わないことにしたの」

 

私が一条先輩を好きだということ、だけどお姉ちゃんのことも同じくらい好きだということ。
だからこそ、私はもう先輩とは会わず、お姉ちゃんの恋を応援すると決めたということを。
先輩の好きな人がお姉ちゃんだってことは伏せておいた。
それはきっと、私が伝えていいことじゃないから。
お姉ちゃんは最初こそもの凄く驚いていたけど、最後まで真剣に話を聞いてくれた。

 

「これが、文化祭で私と先輩にあったことだよ。もう終わったことだからお姉ちゃんは心配しなくていいからね」

 

できる限り、明るい声で答えたつもりだ。
まだ、吹っ切れてはいないけれど、それも時間の問題だろうし。
だけど、お姉ちゃんの表情は最初と同じで心配そうにしていた。

 

「春はそれでいいの?」
「え?」
「自分の気持ちを伝えて、それで終わりでいいの?」
「だって……」
「私のこともそうだけど、相手に好きな人がいるからってアタックしちゃいけない決まりなんてないんだよ? これは私が昔、るりちゃんに言われたことなんだけどね」

 

照れ笑いをしながら、お姉ちゃんはそう私に告げる。
それは……そうなのかもしれない。
だけど、その相手が悪すぎる。
私には、辛すぎる。

 

「それに一条君の返答をちゃんと聞く前に逃げちゃったんでしょ?」
「……うん」
「一条君の答えがなんであろうと、きちんと聞かないとね」

 

お姉ちゃんは明るく答えた。
お姉ちゃんの好きな人のことを好きな私に対して……。
私は、お姉ちゃんと一条先輩が仲良くしているのを見てショックを受けていたのに。
お姉ちゃんはやっぱり優しいな。

 

「うん、そうだね、一条先輩ともう一度話すよ」

 

私はお姉ちゃんを安心させるためにそう告げる。
答えなんてもう決まりきっているけど、お姉ちゃんも一条先輩も、このままにはしておけない。
一条先輩にまた会える……それだけで少し嬉しくなってしまう。
そんな自分がちょっとだけ情けない。
だけど、これが本当に最後だから……。

 

「じゃあ、この話はもう終わりにしよ、お姉ちゃん」

 

私の恋の話はここまで。
だけど、その後もお姉ちゃんと一条先輩の話で盛り上がってしまった。
やっぱり私たちは姉妹なんだよね。
好きな人までは、似ることもなかったのにとは思うけど。
それはもうどうしようもないことで、もうすぐ終わることだ。

 

私はお姉ちゃんに一つだけお願いごとをした。
明日の放課後に、一条先輩に屋上に来て欲しいと言っておいて、と。
私も心を決めて、もう逃げない。
先輩に想いをぶつけて、そして先輩の言葉で砕け散ろう。


明日を……最後にしよう。

 

(後編)→こちら